押印の為に出社?|そんなあなたにおすすめのサービス【法務編】vol.1

はじめに

コロナ下で、リモートにて業務遂行し始めた、管理部門の方々も多いと思う。

各社共に、対処に苦慮しているのが、「押印」業務という点だと考えられる。

企業が扱う文書の様々なところに、印章の文化は根付いており、特に対外的な文書に関しては「押印」がマストのものが多い。

今回は、特に法務に関して、「押印」がなぜ必要とされてきたのか 、また「押印」業務にかかる負担を減らすことに寄与すると考えられるサービスをご紹介したい。

押印がなぜ必要とされてきたのか?

これまで、どうして契約書に押印即ち印影が必要とされてきたのだろうか。

内閣府、法務省及び経済産業省が2020年6月に出した「押印についてのQ&A」では、以下のような説明がある。

民事裁判において、私文書が作成者の認識等を示したものとして証拠(書証)になるためには、その文書の作成者とされている人(作成名義人)が真実の作成者であると相手方が認めるか、そのことが立証されることが必要であり、これが認められる文書は、「真正に成立した」ものとして取り扱われる。民事裁判上、真正に成立した文書は、その中に作成名義人の認識等が示されているという意味での証拠力(これを「形式的証拠力」という。)が認められる。

民訴法第 228 条第4項には、「私文書は、本人[中略]の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」という規定がある。この規定により、契約書等の私文書の中に、本人の押印(本人の意思に基づく押印と解釈されている。)があれば、その私文書は、本人が作成したものであることが推定される。

(内閣府、法務省、経済産業省|押印についてのQ&A)

このドキュメントにも記載があるのだが、上記の事柄は簡潔にまとめると、「裁判所は、本人による押印があれば、疑わしい事情がない限り、証拠とみなしてOK!」ということを記述している。

押印がなされている文書は、もしも争いが発生した際に、証拠として使うことができるわけだ。

上記の事柄を踏まえて、これまでは「記名」と「押印」(又は「署名」と「捺印」)が契約書の締結には必要とされてきた。

しかし、近年、(実際の)押印及び印影というものが”果たして、本当に必要なものなのか?”という点が本格的に議論されており、変化が生じている。

潮目が変わってきている

実は、上記で取り上げた「押印についてのQ&A」では、問1にて以下のように記述されている。

私法上、契約は当事者の意思の合致により、成立するものであり、書面の作成及びその書面への押印は、特段の定めがある場合を除き、必要な要件とはされていない。

特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、
契約の効力に影響は生じない。

(内閣府、法務省、経済産業省|押印についてのQ&A)

つまり、「契約は押印がなくても成立するよ!」という点について、お墨付きを与えているのだ。しかも、テレワークと絡めて以下のような記述もなされている。

このように、形式的証拠力を確保するという面からは、本人による押印があったとしても万全というわけではない。そのため、テレワーク推進の観点からは、必ずしも本人による押印を得ることにこだわらず、不要な押印を省略したり、「重要な文書だからハンコが必要」と考える場合であっても押印以外の手段で代替したりすることが有意義であると考えられる。

(内閣府、法務省、経済産業省|押印についてのQ&A)

実際にこのドキュメントの最後の問いに於いては、文書の成立等を担保する為に、「電子署名」や「電子認証サービス」の利用することについても記述されている。

「押印」を代替する手段によって、契約の成立や文書の真正が担保できるなら、管理部門としてこれほどありがたいことはない。

「押印」を代替できるサービス

紙の「押印」業務から管理部門を解放してくれるサービスにはどんなものがあるのだろうか?

次回の記事では、以下のサービスを取り上げることにする。

  • クラウドサイン
  • ホームズクラウド
  • B to B プラットフォーム
  • Docusign
  • 電子契約サービスAgree

お楽しみに!

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